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貝を味わう|味彩工房 樹(いつき)

ここ数年で全国の離島にIターンやUターンで定住するライフスタイルが、すっかり定着しました。自らがこれまでに培ってきた知識や技術と、島の地域資源を組み合わせることで、新しいモノ・コトを生み出し地域全体に活気がみなぎる。色々なジャンルの方が集まるほど、その掛け算で生まれる可能性は増えていきます。

隠岐空港や西郷港から車を走らせること約15分。海に面した道路沿いに「味彩工房 樹」がオープンしたのは今から16年前のこと。ご主人の中西さんは東京生まれの九州育ち。小さなころから料理に興味を持っていたこともあって、高校時代から銀座でイタリアンの修行をしていました。当時は多くの人がピザの存在を知らず、パスタではなくスパゲティ。色々な意味で発展途上だった食文化ゆえ、逆に将来性を感じて修行を始めたそうです。

その後、修行先から独立し店舗運営などを経て接客業の経営に携わるようになり、この頃に隠岐の島出身の奥様と知り合いました。当時、東京での生活に区切りをつけたいと考えていたこともあって、お二人で隠岐の島に移り住むまでに、多くの時間はかかりませんでした。

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島内で飲食店の開業準備を進めるうちに感じたのが、「女性向けのお店が少ない」ということ。それもあってメニューを考える際には、当時から味はもちろん見た目の華やかさも心がけていたそうです。

こうして生まれたお店は、普段使いができる雰囲気の中で色々な技が凝縮された料理が楽しめる、使い勝手の良さに満ちた空間となっています。

東京で培ってきた豊富な経験をベースに、「素材の良さを最大限に引き出す調理法で提供する」というお店のコンセプトに沿って、メニューにはイタリアンに限らず色々なジャンルが並びます。

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そんなお店のイチオシ貝料理がパエリアならぬ「バイリア」。魚介の旨みを余すとこなくお米に吸わせる料理は、まさに魚介豊富な隠岐の島にピッタリです。

メインキャストは白バイ貝、味を決めるのはこの出汁です。隠岐の海山の幸が鮮やかに彩るパエリア鍋。お米を噛みしめれば、ほのかに甘いエキスと具材の旨みがじんわりと溢れだし、磯とサフランの香りが包み込みます。

元々、隠岐の島では、貝とごはんの組み合わせは大勢の人が集まる時の定番。相性の良さは昔から決まっていたようなものです。

ところで、島内の飲食店は比較的早めに暖簾を下ろすお店が多いのですが、このお店は「お客さんに美味しいものを食べて欲しい一心で調理しているうちに閉店時間を過ぎてしまう」とのこと。最後のお客さんがお帰りになる頃には、時計の針が翌日を差していることも多くなっているそうです。

最上の食材と腕に宿る技術が生み出す料理を食べているうちに、お客さんも時間を忘れちゃうのは当然なのかもしれません。

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店舗情報

店名
味彩工房 樹
住所
〒685-0017 島根県隠岐郡隠岐の島町下西1027-9
TEL
08512-2-6336
営業時間
11:00〜14:00 / 18:00〜
定休日
木曜日
席数
30席(10名以上の予約個室あり)
駐車場
有(2台)
このお店で味わえる貝料理(提供時期)
バイリア(通年、2名分から注文可能となります。)
島根県隠岐郡隠岐の島町下西1027-9