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貝と生きる|くすもと − 安部才朗さん・明子さん

隠岐の島の伝承料理「ぼんべめし」。

その美味しさを作り伝えるのは、東京からUターンで戻られた安部さんご夫婦。

美味しさと共にぎゅっと詰まっているのは、島に対する愛情です。

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思い出の味、ひとめぼれの味。

隠岐の島の南西部、冬になれば薄い雪化粧をほどこす緑と小川がせせらぐ那久(なぐ)地区。

この地で現在、宅老所「くすもと」を営んでいる安部さんご主婦。ご主人の才朗さんは隠岐の島生まれ。高校卒業後、広島の大学で建築を学び、大阪の建築会社にお勤めになっていました。

色々な思い出がある仲で、忘れられないのが高度成長期の頃の東京勤務。好景気の中、才朗さんの会社でも色々な飲食店を訪れると、華やかなお皿が並ぶテーブルで、さざえやあわびを食べる機会が多かったそうです。

でも、そこには幼きに親しんでいたぼんべ貝やにいなの姿はなく、寂しさを感じることもありました。

そんな才朗さんが、昔から大好きだった貝の料理が「ぼんべめし」。地域の人寄せ時に、野菜の煮しめやカメノテのお吸い物と共に作られていた、故郷の思い出が詰まった味です。

一方、徳島県で生まれた奥様の明子さん。初めて隠岐でこの料理を食べた時、その美味しさに衝撃を受けて、勢いのままご近所のぼんべめし作り名人の門を叩いたそうです。当時、もちろん作り方なんてまったく知りませんでしたが、明子さんは少しずつ自分の得意料理にしていきました。

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受け継がれる食文化

海に囲まれた隠岐の島は、いわば「手作りの宝庫」。色々なものを自らの手で生み出していた環境の中、この料理も人から人へと受け継がれてきた島の宝物。明子さんにとって台所で作り方を教わる時間は、キラキラと輝くものに触れる大きな喜びと、食文化を受け継ぐ小さな緊張に満ちていたはずです。

そんな、ぼんべめしの作り方をご紹介。細かく刻んだ椎茸や切り干し大根などの根菜や油揚げを、アゴ(飛び魚)の出汁や醤油などで煮込んだら、主役のぼんべ貝の登場です。身が小さく吸盤のように岩にくっついているため、手で剥がすのにひと苦労。殻を取り除いた身をにいなの身と共にお鍋に加えてじっくり煮詰めたら、炊きたてのごはんに混ぜ込んで完成です。

磯の香りと貝の旨みが凝縮された煮汁をたっぷり吸ったごはんの味に、一口ごとに懐かしさを感じつつ、色々な弾力が生み出すリズムに導かれて箸が止まりません。

こうして、丁寧に作られるぼんべめし。現在は「この美味しさを多くの方に知ってほしい」ということで、アゴのミンチで作ったさつま揚げや、海藻の煮付けなど、隠岐の郷土料理が盛り込まれた「あべんさん家の自家製ぼんべめし」として販売されています。

隠岐の「ご島地グルメ実行委員会」が認定する「隠岐めし」にも選ばれたこのお弁当、美味しさを更に膨らませるのは、明子さんが貼り絵で書いた隠岐の物語。

冬の海で岩のりを摘んでいる漁師さんの姿は、才朗さんが見てきた幼き日の記憶なんだそうです。また、裏面には手書きイラストのお献立。温かさに満ちたお弁当の掛け紙が、美味しさを包み込みます。

思い出の味と風景を伝えるお弁当。そこには二人の隠岐に対する愛と隠岐の地で培われてきた食文化が、ぎっしりと詰まっています。

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商品について

商品名
あべさん家の自家製ぼんべめし
お問い合わせ先
くすもと
TEL/FAX
08512-6-3000/08512-6-3803
ご注意
10個からの注文予約となります。